中野小学校で「万世大路の歴史」講義

 大滝会特別会員の鹿摩貞男さんが去る7月11日(月)に福島市立中野小学校(飯坂町中野)
からの依頼を受け5,6年生に万世大路の歴史について講義をされたそうです。       
中野小学校は我々が学んだ大滝分校の本校に当たり、私も小学生時代に
何度か中野小学校を訪れた記憶があり特別な思いがあります。
これを機会に未来を背負う子供達が万世大路への興味を更に深め、将来万世大路・
ついでに旧大滝集落を訪れてくれたら何より嬉しいことです。
では、下記に鹿摩さんのご報告を原文のまま転載致します。
(HP管理人:紺野 記)


中野小学校総合学習「万世大路の歴史」講義報告

 7月11日(月)に福島市立中野小学校(飯坂町中野)の総合学習の一環として
「万世大路の歴史」をお話して参りましたので報告します。
 
 6月の末に5・6年生(複式学級)の担任の野村茂彦先生から連絡がありました。
子供たちが「万世大路」に大変な興味を持って調べているので、総合学習の一環
として「万世大路の歴史」を今回取り上げることとした。
そこで是非講義をお願いしたいというものでした。
 もとより小学生にたいして今までお話しをしたこともありませんし、
どちらかというとマニアック的な我々の知識では小学生には難しいとも思いました。
 しかし、万世大路の地元の小学校でもあり、開通130周年を迎える今年は、
万世大路を世の中に知っていただく絶好の機会でもあります。
自信はなかったのですがお引き受けした次第です。
 
 
 
 当日のために手作り資料を作成、また国土交通省福島河川国道事務所のご厚意により「東北中央道(栗子トンネル)」などのパンフレットの提供を受けました。
 また事前に大滝分校(かつての中野村立中野小学校が本校)に関することなどを大滝会の伊藤弘治さんから教えていただきました。
 当日、野村先生や半澤勇一郎校長先生の話しによると、この中野地区の歴史的な遺産とし
ては、万世大路が一番規模が大きく価値のあるもので、地元の子供に是非学ばせたいということでした。
 また、子供達が万世大路に大変興味を持っていることは前にも触れましたが、事実、廊下の
壁には、万世大路研究の成果が大きく張り出されておりました。
 
 なお、学習対象者は、福島市立中野小学校の5・6年組(複式学級一クラス)8名です。
 講義時間は、
質問時間も含めAM9:10〜10:30でした。



講義中の鹿摩氏
 

さて、講義内容は次の通りです。

 まず自己紹介後、あらかじめ質問を受けていた3項目についてお話ししました。
それは、万世大路の起終点はどこか、栗子隧道や二ツ小屋隧道・大滝(宿)の
位置はどこか、なぜ万世大路は作られたのか、というものです。
手作りの「万世大路変遷概要図」やパンフレット類で説明しています。
 
 ついで、明治期万世大路を中心とする工事の内容や歴史的背景を話しました。
 始めに、この中野新道(万世大路)の建設のきっかけとなったのは、旧中野村や
旧飯坂村の人達が米沢と交流するために道路が必要ということで、
明治初期に調査を開始し、福島県にたいし道路建設の要望を出したことだという
ことを紹介しました。
 次ぎに当時の山形県令(県知事)三島通庸や福島県令山吉盛典の業績についても
紹介しています。
 また、明治天皇から賜ったことなど万世大路の名称の由来、
そして今年開通130周年となる開通式の模様などについても説明しました。

  皆さんが少し驚いたのは、大滝部落にはかつてこの中野小学校の分校があり、
昭和26年には50名もの生徒が学んでいたことを話ししたときです。
現在中野小学校のの全生徒数は約30名だそうですから、考えられない数字だった
のかも知れません。
そんなことで、大滝部落と分校の紹介もしております。

 小学生にお話しすることはなかなか難しいということを実感しました。
難しい言葉を使用した後は必ず分かったかどうかを、生徒に確認しています。

  たとえば講義の後の質問の時間に万世大路の建設に際して反対はなかったかと
いうものがありました。

 このことの回答のキーワードとして、明治維新・廃藩置県・内務省・自由民権運動
・福島事件(喜多方事件)・会津三方道路・加波山事件などというのを無意識のうちに
使ってしまい、後で気付いて、生徒さんは分かっただろうかと先生に確認することも
ありました。

何れも簡単な解説を後でしましたが理解して貰えたかは分かりません。
ただ意外だったのは、加波山事件を調べている子供がいたことでした。
 その他にも幾つかの質問があり回答しています。
最後に、授業にたいする生徒達の感想が数人からありました。
  四苦八苦の説明でしたけれども、先生からは、大変に分かり易かったとお褒めの
言葉を頂戴いたしました(勿論お世辞でしょう)。


 以上報告します。
 平成23年7月22日